※ アイキャッチ画像は MetaTrader 5 (MT5) を使用して作成されました。© MetaTrader 5
📌 ① ATRとは?(概要)
- ATR(Average True Range)とは、一定期間内の価格変動の大きさ(ボラティリティ)を示す指標です。
- トレンドの強さではなく「値動きの幅・変動性」を測定する指標。
- 特定期間内の「真の値幅(True Range)」の平均値です。
- 基本的に上位時間の足のほうがATRの値も大きい。
📊 ② ATRの見方(チャート上での判断法)
✅ ATRが高い時の特徴
- 相場が激しく変動している(ボラティリティが高い)
- トレンド発生中や重要なニュースイベント時にATRが急増する
- ATRが高いときはストップロスや利確の幅を広げる必要あり
✅ ATRが低い時の特徴
- 相場が落ち着いている(レンジ相場や動きが鈍い)
- 値動きが少ないときはATRが低下
- ATRが低い時は、トレンドが弱く大きな利益を期待しにくい
📈 ③ ATRの実践的な活用方法
① ストップロスの幅を決める
- ATRを使い、相場の変動に合わせて損切り幅を調整可能。
- 損切り幅の目安として「ATRの1.5〜2倍」程度が一般的。
例:
- ATR = 20 pipsの場合
→ ストップロス = 20 pips × 2倍 = 40 pips
② 利益確定(利食い)の目安として使う
- ATRが高ければ利益目標を広げ、低ければ狭くする。
- 利益確定の目安は「ATRの2〜3倍程度」が適切。
例:
- ATR = 30 pipsの場合
→ 利益確定目標 = 30 pips × 3倍 = 90 pips
③ エントリータイミングの判断
- ATRが低い期間(ボラティリティが低下)後の急増は、新しいトレンド発生のサイン。
- ATRが高いまま推移している場合、トレンドが強く継続していると判断可能。
📌 ④ 移動平均線・ボリンジャーバンドとの組み合わせ
ATR単体でも有用ですが、他の指標と組み合わせることで精度が高まります。
✅ 移動平均線(MA)と組み合わせる場合
- MAでトレンド方向を確認
- ATRでストップロスや利確幅を決定
- トレンドフォロー戦略に非常に有効
✅ ボリンジャーバンドと組み合わせる場合
- ボリンジャーバンドで相場の反転やレンジを確認
- ATRを併用して変動幅を確認し、利益確定や損切り幅を調整
📌 ⑤ 注意点(ATRの誤解しやすいポイント)
- ATRはトレンド方向を示す指標ではなく、単純に値動きの「大きさ」を表す指標です。
- ATRが高い = トレンド発生、とは限らず、レンジ相場でも変動が激しい場合はATRが高くなることがあります。
- あくまでボラティリティの指標として使い、他のインジケーターとの組み合わせが必要。
🎯 まとめ:ATRの使い方
ATRの動き | 状況 | 対応策 |
---|---|---|
⬆️(ATR上昇) | 価格の変動が激しい(トレンドやニュース) | ストップロスや利確幅を大きく設定 |
⬇️(ATR下降) | レンジ相場・値動きが小さい | 利益目標やストップロス幅を小さく |
ATRを使った具体的なFX戦略の例:
- 「エントリーは移動平均線で判断、ATRの2倍を利益目標・ATRの1.5倍をストップロス」
- 「ボリンジャーバンドで反転確認後、ATRを基準にエントリーとストップロスを決定」
ATRを併用することで、より客観的で統計的に優れたトレード戦略を構築できます。
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